第三十篇  題目 ふたつさけび



殿とのをさゝぐるときにうたへるダビデのうた

  1. ヱホバよわれなんぢをあがめん なんぢわれをおこしてわがあたのわがことによりて喜ぶをゆるし給はざればなり
  2. わが神ヱホバよわれなんぢによばはればなんぢわれをいやしたまへり
  3. ヱホバよなんぢわがたましひを陰府よみよりあげわれをながらへしめて墓にくだらせたまはざりき
  4. ヱホバの聖徒せいとよ ヱホバをほめうたへまつれ きよきみなに感謝せよ
  5. そのいかりはたゞしばしにてそのめぐみはいのちとともにながし はよもすがらなきかなしむともあしたにはよろこびうたはん
  6. われやすけかりしときにいへらく とこしへに動かさるゝことなからんと
  7. ヱホバよなんぢめぐみをもてわが山をかたくたゝせたまひき しかはあれどなんぢみかほをかくしたまひたればわれおぢまどひたり
  8. ヱホバよわれなんぢによばはれり われひたすらヱホバにねがへり
  9. われ墓にくだらばわが血なにのえきあらん ちりはなんぢをほめたゝへんや なんぢの眞理まことをのべつたへんや
  10. ヱホバよきゝたまへ われを憐みたまへ ヱホバよねがはくはわがたすけとなりたまへ
  11. なんぢ踴躍をどりをもてわが哀哭なげきにかへ わが麁服あらたへをとき歡喜よろこびをもてわがおびとしたまへり
  12. われさかえをもてほめうたひつゝもだすことなからんためなり わが神ヱホバよ われ永遠とこしへになんぢに感謝せん

 二度神によば
第一の叫び(二)──『わが神ヱホバよわれ汝によばはれば汝われをいやしたまへり』
第二の叫び(八)──『ヱホバよわれ汝によばはれり 我ひたすらヱホバにねがへり』
れによりて第一に更生うまれかはりを、第二に聖潔きよき
▲第一のさけびによりて得る恩惠めぐみ=(更生うまれかはり
一、醫癒いやし(二)──『われ汝によばはれば汝われをいやしたまへり』
二、甦生よみがへり(三はじめ)──『ヱホバよ汝わがたましひを陰府よみよりあげ』
三、生命いのち(三をはり)──『我をながらへしめて墓にくだらせたまはざりき』
四、强めらる(七はじめ)──『ヱホバよなんぢめぐみをもてわが山をかたくたゝせたまひき』
 かゝ恩惠めぐみを得たるも、神その聖顏みかほを隱し給ひたればぢ惑ひて(七節下半しもはん)困難と苦痛を覺ゆるに至れり。れば再び叫びいだせり。
▲第二のさけびによりて得る恩惠めぐみ=(聖潔きよめ
一、ゆたかなる生命いのち(十一はじめ)──『なんぢ踴躍をどりをもてわが哀哭なげきにかへ』
二、歡喜よろこび(十一をはり)──『わが麁服あらたへをとき歡喜よろこびをもてわが帶としたまへり』
三、天のところに擧げらる(一はじめ)──『なんぢ我をおこして』
四、勝利(一をはり)──『わがあたのわがことによりて喜ぶをゆるし給はざればなり』



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