第四十四篇 題目 主よさめ給へ (廿三)
伶長にうたはしめたるコラの子のをしへの歌
- あゝ神よむかしわれらの列祖の日になんぢがなしたまひし事迹をわれら耳にきけり 列祖われらに語れり
- なんぢ手をもてもろもろの國人をおひしりぞけ われらの列祖をうゑ並もろもろの民をなやましてわれらの列祖をはびこらせたまひき
- かれらはおのが劍によりて國をえしにあらず おのが臂によりて勝をえしにあらず 只なんぢの右の手なんぢの臂なんぢの面のひかりによれり 汝かれらを惠みたまひたればなり
- 神よなんぢはわが王なり ねがはくはヤコブのために救をほどこしたまへ
- われらは汝によりて敵をたふし また我儕にさからひて起りたつものをなんぢの名によりて踐壓ふべし
- そはわれわが弓によりたのまず わが劍もまた我をすくふことあたはざればなり
- なんぢわれらを敵よりすくひ またわれらを惡むものを辱かしめたまへり
- われらはひねもす神によりてほこり われらは永遠になんぢの名に感謝せん セラ
- しかるに今はわれらをすてゝ恥をおはせたまへり われら軍人とともに出ゆきたまはず
- われらを敵のまへより退かしめたまへり われらを惡むものその任意にわれらを掠めうばへり
- なんぢわれらを食にそなへらるゝ羊のごとくにあたへ斯てわれらをもろもろの國人のなかにちらし
- 得るところなくしてなんぢの民をうり その価によりてなんぢの富をましたまはざりき
- 汝われらを隣人にそしらしめ われらを環るものにあなどらしめ 嘲けらしめたまへり
- 又もろもろの國のなかにわれらを談柄となし もろもろの民のなかにわれらを頭ふらるゝ者となしたまへり
- わが陵辱ひねもす我がまへにあり わがかほの恥われをおほへり
- こは我をそしり我をのゝしるものの聲により我にあだし我にうらみを報るものの故によるなり
- これらのこと皆われらに臨みきつれどわれらなほ汝をわすれず なんぢの契約をいつはりまもらざりき
- われらの心しりぞかず われらの步履なんぢの道をはなれず
- 然どなんぢは野犬のすみかにてわれらをきずつけ死蔭をもてわれらをおほひ給へり
- われらもしおのれの神の名をわすれ或はわれらの手を異神にのべしことあらんには
- 神はこれを糺したまはざらんや 神はこゝろの隱れたることをも知たまふ
- われら終日なんぢのために死にわたされ屠られんとする羊の如くせられたり
- 主よさめたまへ 何なればねぶりたまふや 起たまへ われらをとこしへに棄たまふなかれ
- いかなれば聖顏をかくしてわれらがうくる苦難と虐待とをわすれたまふや
- われらのたましひはかゞみて塵にふし われらの腹は土につきたり
- ねがはくは起てわれらをたすけたまへ なんぢの仁慈のゆゑをもてわれらを贖ひたまへ
廿三節に『主よさめたまへ』とあり、廿六節に『ねがはくは起……たまへ』とあり、實に大膽なる祈禱なり。即ち此はリバイバルの叫なり。聖靈に强められて始めて我等は斯る大膽なる祈禱をなす事を得べし。
▲本篇の分解
(一〜三)過去に於る神の力(奇蹟)を覺ゆる事(是によりて信仰起る)
(四〜八)未來の爲に神を信ず
(九〜十六)現在の眞の有樣
(十七〜廿二)忠實に神に從ふ決心
(廿三〜廿六)大膽なる祈禱
リバイバルを叫求むる者は此順序に注意すべし。
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