第百十五篇 題目 死ねる神と活ける神
- ヱホバよ榮光をわれらに歸するなかれ われらに歸するなかれ なんぢのあはれみと汝のまこととの故によりてたゞ名にのみ歸したまへ
- もろもろの國人はいかなればいふ 今かれらの神はいづくにありやと
- 然どわれらの神は天にいます 神はみこゝろのまゝにすべての事をおこなひ給へり
- かれらの偶像はしろかねと金にして人の手のわざなり
- その偶像は口あれどいはず目あれどみず
- 耳あれどきかず鼻あれどかゞず
- 手あれどとらず脚あれどあゆまず喉より聲をいだすことなし
- 此をつくる者とこれに依賴むものとは皆これにひとしからん
- イスラエルよなんぢヱホバに依頼め ヱホバはかれらの助かれらの盾なり
- アロンの家よなんぢらヱホバによりたのめ ヱホバはかれらの助かれらの盾なり
- ヱホバを畏るゝものよヱホバに依頼め ヱホバはかれらの助かれらの盾なり
- ヱホバは我儕をみこゝろに記たまへり われらを惠みイスラエルの家をめぐみアロンのいへをめぐみ
- また小なるも大なるもヱホバをおそるゝ者をめぐみたまはん
- 願くはヱホバなんぢらを增加へ なんぢらとなんぢらの子孫とをましくはへ給はんことを
- なんぢらは天地をつくりたまへるヱホバに惠まるゝ者なり
- 天はヱホバの天なり されど地は人の子にあたへたまへり
- 死人も幽寂ところに下れるものもヤハを讃稱ふることなし
- 然どわれらは今より永遠にいたるまでヱホバを讃まつらむ 汝等ヱホバをほめたゝへよ
▲本篇の分解
(一〜八)生命なき神
(九〜十八)活ける神
▲活ける神は
一、我が助也(九、十、十一)──『……ヱホバに依頼め ヱホバはかれらの助』
二、我が護主也(九、十、十一)──『かれらの盾なり』
三、我等を惠み給ふ神也(十二、十三)──『ヱホバは我儕をみこゝろに記たまへり われらを惠みイスラエルの家をめぐみアロンのいへをめぐみ また小なるも大なるもヱホバをおそるゝ者をめぐみたまはん』
四、我等を增加へ給ふ(即ち祝福し繁榮ならしめ給ふ)神也(十四)──『願くはヱホバなんぢらを增加へ なんぢらとなんぢらの子孫とをましくはへ給はんことを』
▲九、十、十一節に各節毎に
『なんぢヱホバに依頼め』
と三度記さる。また十二、十三節を見れば
『彼惠み給はん』(英譯 "He will bless" による)
と四度記さる。『ヱホバに依頼め』との誡に従へば神は必ず惠み給ふ。尚續いて第百十七篇を序に見れば
『ヱホバを讃まつれ』
と三度記さる。以上三の短き言の順序に注意せよ。即ち神に依賴みたる者は惠まれ、惠まれたる者は讃美するに至る。聖靈は是等の言を各三度宛(或は四度)記し給へる故、此言は特に注意すべき言なりと知るべし。
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