第百四十二篇 題目 自由を願ふ (七)
ダビデが洞にありしときよみたる敎へのうたなり 祈なり
- われ聲をいだしてヱホバによばはり 聲をいだしてヱホバにこひもとむ
- われはその聖前にわが歎息をそゝぎいだし そのみまへにわが患難をあらはす
- わが靈魂わがうちにきえうせんとするときも 汝わがみちを識たまへり 人われをとらへんとてわがゆくみちに羂をかくせり
- 願くはわがみぎの手に目をそゝぎて見たまへ 一人だに我をしるものなし われには避所なくまたわが靈魂をかへりみる人なし
- ヱホバよわれ汝をよばふ 我いへらく汝はわがさけどころ 有生の地にてわがうべき分なりと
- ねがはくはわが號呼にみこゝろをとめたまへ われいたく卑くせられたればなり 我をせむる者より助けいだしたまへ 彼等はわれにまさりて强ければなり
- 願くはわがたましひを囹圄よりいだし われに聖名を感謝せしめたまへ なんぢ豐かにわれを待ひたまふべければなり 義者われをめぐらん
▲本篇の分解
(一、二)熱心なる祈禱
(三) 神は我が狀態を知り給ふ
(四) 恐るべき場合に助くる者なし
(五、六)目を擧げて信じて祈る
(七) 神の豊なる惠
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