第二篇  題目 地の諸王と神の撰べる王 (二、六節參照)



  1. いかなればもろもろの國人くにびとはさわぎたち諸民たみらはむなしきことをはかるや
  2. 地のもろもろの王はたちかまへ群伯をさらはともにはかり ヱホバとその受膏者じゅかうじゃとにさからひていふ
  3. われらそのかせをこぼち その繩をすてんと
  4. 天にするもの笑ひたまはん しゅかれらをあざけりたまふべし
  5. かくてしゅ忿恚いきどほりをもてものいひ おほいなるいかりをもてかれらをおぢまどはしめて宣給のたま
  6. しかれどもわれわが王をわがきよきシオンの山にたてたりと
  7. われ詔命みことのりをのべん ヱホバわれにのたまへり なんぢはわが子なり 今日けふわれなんぢをうめ
  8. われに求めよ さらばなんぢにもろもろの國を嗣業ゆづりとしてあたへ地のはてをなんぢのものとしてあたへん
  9. なんぢくろがねの杖をもて彼等をうちやぶり陶工すゑつくりのうつはものゝごとくに打碎うちくだかんと

  10. されば汝等なんぢらもろもろの王よ さとかれ 地の審士輩さばきびとらをしへをうけよ
  11. おそれをもてヱホバにつかへ戰慄おのゝきをもてよろこべ
  12. 子にくちつけせよ おそらくはかれいかりをはなち なんぢらみちにほろびん その忿恚いきどほりはすみやかにもゆべければなり すべてかれに依賴よりたのむものはさいはひなり

▲六節──父なる神の聖聲みこゑ
 七節──子なる神の聖聲みこゑ
 十節──聖靈なる神の聖聲みこゑ
▲父なる神は此處こゝに主イエスの事を明らかに表したまふ。
 (1) その御子みこなる事(七)『なんぢはわが子なり』──ヘブル一・五對照
 (2) その復活よみがへり(七終)『今日われなんぢを生り』──これは格別に主のよみがへりを指すことばなり徒十三・卅二、卅三參照
 (3) その昇天(六)『我わが王をきよきシオンの山にたてたり』
 (4) その祭司のつとめ禱告とりなし祈禱いのりを捧ぐる者たる事(八始)『われに求めよ』──主は父なる神に求め給ふ。ヘブル七・廿四、廿五參照
 (5) その聖國みくにの勝利(八)『汝にもろもろの國を嗣業ゆづりとしてあたへ地のはてをなんぢのものとしてあたへん』
 (6) その審判さばき(九)『汝くろがねの杖をもて彼等をうちやぶり陶工すゑつくりのうつはものゝごとくに打碎うちくだかん』──黙示録二・廿七對照
かくて我等に對する四つの奨勵すすめ記さる。
 (1) さとかれ(十)──すなはち靈的の意味において賢き者となれ
 (2) をしへをうけよ(十)──すなはち聖書にある敎へを學べ
 (3) おのれを低くせよ(十一參照)
 (4) 神とやはらげよ(十二『子にくちつけせよ』)
▲本篇に主イエスのよつの名稱記さる。
 (1) ヱホバ受膏者じゅかうしゃ(二)──神の立て給へる救主すくひぬし
 (2) 神の王(六)──神より榮光と稜威みいづを得し者
 (3) 神の子(七)──神の性質をてる者
 (4) もろもろの國の王(八)──對照ゼカリヤ四・十四、おなじく六・五(『全地の主』)、おなじく十四・九(『全地の王』)



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