第十五篇  題目 神につける人



ダビデのうた

  1. ヱホバよなんぢの帷幄あげばりのうちにやどらん者はたれぞ なんぢの聖山きよきやまにすまはんものはたれ
  2. なほくあゆみ義をおこなひ そのこゝろに眞實まことをいふものぞその人なる
  3. かゝる人は舌をもてそしらず その友をそこなはず またそのとなりをはぢしむることばをあげもちひず
  4. 惡にしづめるものを見ていとひかろしめ ヱホバをおそるゝものをたふとび 誓ひしことはおのれに禍害わざはひとなるもかふることなし
  5. たからをかしてすぎたる利をむさぼらず 賄賂まひなひをいれて無辜つみなきものをそこなはざるなり かゝることどもを行ふものは永遠とこしへにうごかさるゝことなかるべし

▲神につける人は
一、おこなひたゞしき人(二はじめ)──『なほくあゆみ義をおこなひ』
二、眞實まことの人(二をはり)──『そのこゝろに眞實まことをいふものぞその人なる』
三、ことばを愼む人(三)──『かゝる人は舌をもてそしらず その友をそこなはず またそのとなりをはぢしむることばをあげもちひず』
四、罪を憎み神をおそるゝ者(四はじめ)──『惡にしづめるものを見ていとひかろしめ ヱホバをおそるゝものをたふとび』
五、約束を忠實に守る者(四をはり)──『誓ひしことはおのれに禍害わざはひとなるともかふることなし』
六、金銭を正しく取扱ふ者(五はじめ)──『たからをかしてすぎたる利をむさぼらず 賄賂まひなひをいれて無辜つみなきものをそこなはざるなり』
七、堅く立ちて動かざる者(五をはり)──『かゝることどもを行ふものは永遠とこしへにうごかさるゝことなかるべし』
▲本篇と第廿四篇の比較
 廿四・三──『ヱホバの山にのぼるべきものはたれぞ』
 十五・一──『なんぢの聖山きよきやますまはんものはたれぞ』
 聖潔きよめを受くる事はひとつの事、その受けしめぐみを保つ事は別の事なり。廿四篇は聖潔きよめを受くる事に關し、十五篇はその聖潔きよめを保つ事に關す。



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