新約全書 使徒パウロ コリント人におくれる後書
第 四 章
- われら恩慈を蒙りて此職を受たれば敢て臆せず
- 恥べき隱匿たる事を棄て詭譎を行ず神の道を混さず眞理を顯して神の前に己を衆の人の良心に質なり
- 我儕の福音もし隱ならば沈淪者に隱るゝ也
- 此の如き人は此世の神その心を盲したる不信者なり 是神の像なるキリストの榮の福音の光をして彼等を照さゞらしめんが爲なり
- 我ら自己の事を宣るに非ず 唯キリストイエスの主たること又われらイエスに由て爾曹の僕たる事を宣るなり
- 光に命じて暗より照出しめたる神 我儕をしてイエスキリストの面にある神の榮光を知の光を顯さしめん爲に我儕の心を照し給へり
- 我儕この寳を瓦噐に藏り 是おほいに優たる能は我より出るに非ず神の能なる事の顯れん爲なり
- われら四方より患難を受れども窮せず詮かた盡れども望を失はず
- 迫害るれども棄られず跌倒るれども亡ず
- われら何處へ往にも常にイエスの死を身に負り 此はイエスの生ることを我儕の身に顯れしむる也
- 夫われら生者の常にイエスの爲に死に付さるゝはイエスの生ることを我儕が死べき肉體に顯れしむる也
- 斯て死は我儕に動き生は爾曹に動くなり
- 錄して我信ずるに因て言りと有ごとく我儕も此のごとき信仰の靈あれば信ずるに因て言なり
- 我儕は主イエスを甦らしゝ者のイエスと偕に我儕をも甦らせ亦我儕をして爾曹と偕に立しむる事を知り
- 萬事は皆なんぢらの益となれり 此はその鴻恩おほくの人の感謝に由て神の榮を顯はさん爲なり
- 是故に我儕臆せず 我儕が外なる人は壞るゝとも内なる人は日々に新なり
- 夫我儕が受る片刻の輕き苦は極て大なる窮なき重き榮を我儕に得しむる也
- 我儕が顧る所は見る所の者に非ず見ざる所のもの也 蓋見る所の者は暫時にして見ざる所の者は永遠ければ也
| 新約全書目次 | 哥後 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 總目次 |