新約全書 使徒パウロ コリント人におくれる後書
第 六 章
- 神と偕に勞く所の我儕なんぢらに勸む 爾曹神の恩を徒らに受ること勿れ
- かれ曰 われ慈惠の時に爾に聽また救の日に爾を助たりと 今は恩惠の時なり 今は救の日なり
- 我儕この職を謗るゝこと無らん爲に何事にも人を躓かせず
- 且われら凡の事に於て己神の役者の如く行て己の義を人に顯せり 即ち多の忍耐にも患難にも窮乏にも困苦にも
- 責打にも獄に入にも擾亂の時にも勤勞にも睡ざるにも食ざるにも
- 貞潔ことゝ知識と恒忍と仁慈と聖靈と僞なきの愛と
- 眞の道と神の能と左右に在ところの義の武具を用ゐ
- また榮耀、羞辱、惡名、令聞に由て己の義を人に顯せり
- 人を惑す者に似たれども眞實 人に知れざるに似たれども人に知れ 死たる者に似たれども生るもの 責を受るに似たれども殺されず
- 憂るに似たれども常に喜び 貧きに似たれども多の人を富し 何も有ざるに似たれども凡の物を有り
- コリント人よ 我儕の口なんぢらに啓け我儕の心廣なれり
- 爾曹われらに狹らるゝに非ず 反て己が心に狹らるゝ也
- われ爾曹に語ること我子に語るが如し 爾曹も自ら心を廣して我に報をなすべし
- なんぢら不信者と耦なかれ 蓋義と不義と何の侶なる事か有ん 光と暗と何の交る事か有ん
- キリストとベリアルと何の合ことか有ん 信者と不信者と何の干ることか有ん
- 神の殿と偶像と何の同きことか有ん 夫なんぢらは活神の殿なり 神甞て我かれらの中に住り且あゆまん 我かれらの神となり彼等わが民とならんと曰給ひしが如く
- 又なんぢら彼等の中より出て之を離れ汚穢に捫ること勿れ 我なんぢらを納ん
- われ爾曹の父となり爾曹わが子女と爲べしと曰る 是全能の主の言なり
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