雪 の 如 く 白 く


B.F.バックストン 講演
小  島  伊  助 編纂


ADDRESSES
BY
BARCLAY F. BUXTON


 序 



 『雪の如く白く』と、塩屋聖会の第一夜、特徴ある日本語が先生の口を衝いて飛び出した時の感激、また懐かしさはいかばかりであったろう。爾来じらい、正に一年になんなんとして、漸く御講演の第一しゅうが出るのは、やや遅きに失するうらみがある。しかし同じ塩屋聖会を前にしてこれを送り出し得るは感謝であり、思い出深くある。引き続き第二輯以下を刊行の予定。
 本輯に何を集むべきかは問題であった。しかし、やはり日本における第一声を第一に置きたい考えから、とうとうこれは塩屋聖会説教集になりおわった。けだし先生が篤き祈禱いのりと待ち望みの中に導かれ与えられたメッセージの順序を変え得なかったためである。それだけまた、これは一貫した恩恵めぐみを読む者一同に与えるに相違ない。
 今更ながら、実に豊かな恩寵と祝福に充ち満ちた説教集であることを感ずる。昨年、ちょうど健康の都合上、あまり直接に聞き得なかったO兄は、原稿を整理しながら『いいですね!』と讃歎の声を発した。蓋しこれを手にし目にする者たちの代表的感歎辞であろう。
 思い起す、歓迎会の席上、先生はこの度の御来訪の幻示ヴィジョンを述べて、『相共に安んぜんため』(ローマ十五・三十二)と仰せられた。真に一同はリフレッシュされた。小は各個人から大は日本の霊界が、爽やかにも新鮮にされたことを疑わない。先生を送ってここに半さい、今ここに送り出さるるこれらの説教集が親しくも楽しかりし去年の恵みを思い出さしむると共に、更に進んで新たにあふるる恩恵を与うる使者たらんことを切望してまない。蓋し先生の説教は、特別、これを受ける霊魂たましいの量りに循って深浅の度を異にするからである。
  終りに、筆記者山崎、達の諸兄等の労の加わりおることをも併記して、感謝と祈禱の中にこの第一輯を送り出す。
  
   昭和十三年四月            舞子にて   小  島  生


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