書

第 十 四 章



  1. ヱホバ ヤコブをあはれみイスラエルをふたゝびえらびてこれをおのれの地におきたまはん、異邦人ことくにびとこれにくはゝりてヤコブの家にむすびつらなるべし
  2. もろもろのたみはかれらをそのところにたづさへいたらん、しかしてイスラエルの家はヱホバの地にてこれをしもべはしためとなし、さきにおのれをとりこにしたるものをとりこにし、おのれをしへたげたるものををさめん

  3. ヱホバなんぢのうれへ艱難なやみとをのぞきまたなんぢが勤むるからきつとめをのぞきて安息あんそくをたまふの日
  4. なんぢこの歌をとなへバビロン王をせめていはん しへたぐる者いかにしてやすみしや かねをはたる者いかにしてやすみしやと
  5. ヱホバあしきものゝしもとともろもろの有司つかさびとの杖とををりたまへり
  6. かれらはいかりをもてもろもろのたみをたえずうちてはうち忿恚いきどほりをもてもろもろの國をゝさむれどその暴虐しへたげをとゞむる者なかりき
  7. 今は全地ぜんちやすみをおだやかをことごとく聲をあげてうたふ
  8. にまつのおよびレバノンの香柏かうはくさへもなんぢのゆゑによりよろこびていふ、なんぢすでにふしたれば樵夫きこりのぼりきたりてわれらをせむることなしと
  9. した陰府よみはなんぢのゆゑにより動きてなんぢのきたるをむかへ、世のもろもろの英雄の亡靈なきたまをおこし國々のもろもろの王をそのくらゐよりたちおこらしむ
  10. かれらは皆なんぢにつげていはん、なんぢもわれらのごとく弱くなりしや、なんぢもわれらと同じくなりしやと
  11. なんぢの榮華えいぐゎとなんぢの琴のはすでに陰府よみにおちたり、うじなんぢのしたにしかれ蚯蚓みゝづなんぢをおほふ
  12. あしたの子 明星みゃうじゃういかにして天よりおちしや、もろもろの國をたふしゝ者よ いかにしてきられて地にたふれしや
  13. なんぢさきに心中こゝろのうちにおもへらく、われ天にのぼりわれくらゐを神の星のうへにあげ北のはてなる集會つどひの山にざし
  14. たかき雲漢くもゐにのぼり至上者いとたかきもののごとくなるべしと
  15. されどなんぢは陰府よみにおとされあな最下いやしたにいれられん
  16. なんぢを見るものは熟々つらつらなんぢをなんぢに目をとめていはん、この人は地をふるはせ列國くにぐにをうごかし
  17. 世を荒野あれののごとくし、もろもろのまちをこぼち、とらへたるものをその家にときかへさゞりしものなるかと
  18. もろもろの國の王たちはことごとく皆たふときさまにておのおのその家にねぶる
  19. されどなんぢはいみきらふべき枝のごとく、おのが墓のそとにすてられ、その周圍まはりにはつるぎにてさしころされあなにおろされ石におほはれたる者ありてふみつけらるゝかばねにことならず
  20. なんぢおのれの國をほろぼし、おのれのたみをころしゝがゆゑにかれらとおなじくはうむらるゝことあたはず それ惡をおこなふものゝすゑはとこしへに名をよばるゝことなかるべし
  21. 先祖のよこしまのゆゑをもて、その子孫のために戮塲ほふりばをそなへ 彼等をしてたちて地をとり世界のおもてにまちをみたすことなからしめよ
  22. 萬軍ばんぐんのヱホバのたまはく われたちてかれらを攻めバビロンよりその名とのこりたるものとを絕滅たちほろぼしその子その孫をたちほろぼさんと、これヱホバの聖言みことばなり
  23. われバビロンを刺蝟はりねづみのすみかとし沼としかつほろびのはゝきをもてこれを掃除はらひのぞかんと、これ萬軍ばんぐんのヱホバのみことばなり

  24. 萬軍ばんぐんちかひをたてゝ言給いひたまはく わがおもひし事はかならずなりわがさだめし事はかならずたゝ
  25. われアツスリヤびとをわが地にてうちやぶり、わが山々にてふみにじらん、こゝにおいてかれがおきしくびきはイスラエルびとよりはなれ かれがおはせし重負おもにはイスラエルびとの肩よりはなるべし
  26. これは全地ぜんちのことにつきて定めたる謀略はかりごとなり これはもろもろの國のうへにのばしたる手なり
  27. 萬軍ばんぐんのヱホバさだめたまへり たれかこれを破ることを得んや、その手をのばしたまへり たれかこれを押返おしかへすことを得んや

  28. アハズ王のしにたる年 おもにの預言ありき
  29. いはく ペリシテの全地ぜんちよ なんぢをうちし杖をれたればとて喜ぶなかれ へびの根よりまむしいでそのはとびかける巨蛇をろちとなるべければなり
  30. いと貧しきものはものくひともしきものは安然やすらかにふさん、われ飢饉きゝんをもてなんぢの根をしなせなんぢがのこれる者をころすべし
  31. もんよ なげけ まちよ さけべ、ペリシテよ なんぢの全地きえうせたり、そはけぶり北よりいできたり、その軍兵つはものの列におくるゝものなし
  32. その國の使者つかひたちになにとこたふべきや 答へていはん、ヱホバ シオンのもとゐをおきたまへり、そのたみのなかの苦しむものは避所さけどころをこのうちにえん


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