以 賽 亞 書
第 五 十 三 章
- われらが宣るところを信ぜしものは誰ぞや ヱホバの手はたれにあらはれしや
- かれは主のまへに芽のごとく 燥きたる土よりいづる樹株のごとくそだちたり、われらが見るべきうるはしき容なく、うつくしき貎なく、われらがしたふべき艷色なし
- かれは侮られて人にすてられ悲哀の人にして病患をしれり、また面をおほひて避ることをせらるゝ者のごとく侮られたり、われらも彼をたふとまざりき
- まことに彼はわれらの病患をおひ我儕のかなしみを擔へり、然るにわれら思へらく 彼はせめられ神にうたれ苦しめらるゝなりと
- 彼はわれらの愆のために傷けられ、われらの不義のために碎かれ、みづから懲罰をうけてわれらに平安をあたふ、そのうたれし痍によりてわれらは癒されたり
- われらはみな羊のごとく迷ひておのおの己が道にむかひゆけり 然るにヱホバはわれら凡てのものゝ不義をかれのうへに置たまへり
- 彼はくるしめらるれどもみづから謙だりて口をひらかず屠塲にひかるゝ羊羔のごとく 毛をきる者のまへにもだす羊のごとくしてその口をひらかざりき
- かれは虐待と審判とによりて取去れたり、その代の人のうち誰かゝれが活るものゝ地より絕れしことを思ひたりしや 彼はわが民のとがの爲にうたれしなり
- その墓はあしき者とゝもに設けられたれど死るときは富るものとゝもになれり、かれは暴をおこなはず、その口には虛僞なかりき
- されどヱホバはかれを碎くことをよろこびて之をなやましたまへり 斯てかれの靈魂 とがの献物をなすにいたらば彼その末をみるを得その日は永からん、かつヱホバの悅びたまふことはかれの手により榮ゆべし
- かれは己がたましひの煩勞をみて心たらはん、わが義しき僕はその知識によりておほくの人を義とし又かれらの不義をおはん
- このゆゑに我かれをして大なるものとゝもに物をわかち取しめん、かれは强きものとゝもに掠物をわかちとるべし、彼はおのが靈魂をかたぶけて死にいたらしめ愆あるものとゝもに數へられたればなり、彼はおほくの人の罪をおひ愆あるものゝ爲にとりなしをなせり
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