書

第 五 十 四 章



  1. なんぢはらまず子をうまざるものよ 歌うたふべし、うみのくるしみなきものよ 聲をはなちてうたひよばゝれ、おっとなきものゝ子はとつげるものゝ子よりおほしと、こはヱホバの聖言みことばなり
  2. なんぢが幕屋まくやのうちを廣くし、なんぢが住居すまひのまくをはりひろげてをしむなかれ、なんぢのつなをながくし、なんぢのくゐをかたくせよ
  3. そはなんぢが右に左にひろごり、なんぢのすゑはもろもろの國をえ荒廢あれすたれたるまちをもすむべき所となさしむべし
  4. おそるゝなかれ、なんぢはづることなからん あわてふためくことなかれ なんぢはぢしめらるゝことなからん、若きときのはぢをわすれ寡婦やもめたりしときの恥辱はづかしめをふたゝびおぼゆることなからん
  5. なんぢを造りたまへる者はなんぢのをっとなり その名は萬軍ばんぐんのヱホバ なんぢをあがなひたまふものはイスラエルの聖者せいしゃなり 全世界の神とゝなへられ給ふべし
  6. ヱホバなんぢをまねきたまふ、すてられて心うれふる妻また若きときとつぎてさられたる妻をまねくがごとしと、はなんぢの神のみことばなり
  7. われしばしなんぢをすてたれどおほいなる憐憫あはれみをもてなんぢをあつめん
  8. わが忿恚いきどほりあふれてしばらくわがかほをなんぢに隱したれど永遠とこしへのめぐみをもてなんぢをあはれまんと、こはなんぢをあがなひたまふヱホバの聖言みことばなり
  9. このことはわれにはノアの洪水のときのごとし われむかしノアの洪水をふたゝび地にあふれ流るゝことなからしめんと誓ひしが そのごとくわれふたゝびなんぢをいきどほらず再びなんぢをせめじとちかひたり
  10. 山はうつり岡はうごくともわが仁慈いつくしみはなんぢよりうつらず平安やすきをあたふるわが契約はうごくことなからんと、はなんぢをあはれみたまふヱホバのみことばなり

  11. なんぢ苦しみをうけ暴風はやちにひるがへされ安慰なぐさめをえざるものよ、われうるはしき彩色いろどりをなしてなんぢの石をすゑ 靑きたまをもてなんぢのもとゐをおき
  12. くれなゐのたまをもてなんぢのやぐらをつくり、むらさきのたまをもてなんぢのもんをつくりなんぢの境内さかひのうちはあまねく寶石はうせきにてつくるべし
  13. 又なんぢの子輩こらはみなヱホバにをしへをうけ、なんぢの子輩こらのやすきはおほいならん
  14. なんぢ義をもて堅くたち虐待しへたげよりとほざかりてをづることなくまた恐懼おそれよりとほざかるべし、そは恐懼おそれなんぢにちかづくことなければなり
  15. たとひかれら群集むれつどふともわれによるにあらず すべてむれつどひてなんぢをせむる者はなんぢのゆゑにたふるべし
  16. みよ炭火すみびをふきおこしてもちゐべきうつはをいだす鐵工かなだくみはわが創造するところ 又あらし滅ぼす者もわが創造するところなり
  17. すべてなんぢをせめんとてつくられしうつはものはあることなし、興起おこりたちてなんぢとあらそひ訴ふる舌はなんぢに罪せらるべし、これヱホバの僕等しもべらのうくる產業なり、これかれらがわれよりうくる義なりとヱホバのたまへり


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