バックストン/バンコム 述

東 京 聖 別 會 講 話 筆 記

東京  日本聖公會出版社




心のきよき者はさいはひなるかな、そは神に會見まみゆることをればなり。おほよそ聖別せられずして神の至聖所いときよきところに入り得る者は一人だにあることなく、又神の殿みやなる我々にしてきよからざれば神の靈その中にいまさゞるなり。れば神に會見まみえんとののぞみを懷くものはそのきよきが如く自己みづからきよむ。聖潔きよきは神の殿みや適應ふさはしきなり。さきつ頃バックストン、バンコム兩氏は東京神田靑年會舘において聖別會を開かれ、そのむしろつらなりし人々に信仰の益をあたへられしが、その折の演說を筆記せられたる敎友は這般こたびこれを刊行し廣く人々に知らしめんとして予に序を乞はれたり。予は深くその擧をよろこびこの書が神の祝福により讀者諸君の聖潔に進まるゝ媒助みちびきとならんことを祈るところなり
                         橫濱に於て
 明治三十一年六月                  稻  垣   信



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