第  五  日



『かくて三日のあさにいたりていかづちいなびかりおよび密雲あつきくも山の上にあり …… モーセえいよりたみひきいでて神にあはしむ たみ山のふもとたつに …… 喇叭らっぱの聲いよいよ高くなりゆきてはげしくなりける時モーセことばいだすに神聲をもてこたへたまふ』(出エジプト記十九・十六、十七、十九

 これは律法おきての発布せられた日でありました。モーセにとり、イスラエル人にとり、乃至ないしは全人類にとって如何ばかり記念すべき日でありましたろう! しかもこの日は、朝の時、モーセが民を引きいでて神に会わしめ、神と語り、神はモーセに答え給うたその時に於て始められております。

 神の律法おきては私共の心に日毎に新たにせらるべきであります。御霊みたまによるうちなる律法おきてける律法おきてであります。日々に天より新しくせられてその活力を保たるるのであります。もし一日の間この経験を保とうとならば、私は、モーセの如く、朝に於て、これを始めなければなりません。──きて神にあい、神に語り、そのお答を待つべきはすであります。

 神に会う! わが霊魂よ、なんじの神にあう準備をしなさい。神はかねてモーセに仰せになりました。『たみきよめて明日に備へよ、そはわれなんぢに到ればなり』(十、十一参照)。神に会おうと欲する者は、自らを純潔にし、聖別しなければなりません。すなわち罪である一切の事柄を、へりくだった告白をもって打ち棄て、あなた自身をきよ犠牲いけにえとして神に献げることです。

 神があなたの上に、この日終日、しゅたらんがために、おそれと、うやうやしさをもってあなた自身を、偉にして聖なる神の御手みてに差し上げ奉りなさい。彼にあい奉る準備を致しなさい。これ以下の何ものをもっても満足してはなりません。時間を懸けなさい。聖前みまえに静まりなさい。信仰を働かして神を待ち奉りなさい。神はあなたに臨み給います。しかして、かく神にまみえ奉った時、神に語り奉り、彼をしてあなたに答えしめ奉りなさい。あなたの霊魂のうちなる御聖霊の声を通して神の御応答の御言葉みことばを聴き奉りなさい。く神にあい奉った朝は、如何に福祉さいわいなる一日の始めであることでありましょう。



| 総目次 | 祈禱と序文 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |