第 三 十 一 日
『一週の首の日、日の出でたる頃いと早く墓にゆく。…… 一週の首の日の拂曉、イエス甦へりて先づマグダラのマリヤに現れたまふ、前にイエスが七つの惡鬼を逐ひいだし給ひし女なり』(マルコ福音書十六・二、九)
婦女たちは朝早く墓に参りました。けれどもイエスは彼らよりもさきにそこにあって彼等を待ってい給いました。主は朝なおまだ明けやらぬ間に夙に甦り給いました──マリヤは『朝まだき暗きうちに』(ヨハネ二〇・一)真っ先に参りまして主はまず彼女に現れ給うたのであります。朝まだき私共を待ち、朝毎に私共を訪れ給う活けるイエスと、彼を求むるために朝夙に起き出ずる信ずる霊魂、彼らはたしかに相見えずしてはおりません。
しからば、マリヤや他の婦女たちのかように早起きの秘密は何でありますか。それはイエスに対する彼らの愛であります。彼らは主から離れてじっとしていることが出来ませんでした。主の臨在は彼らに欠く可からざるものであったのであります。彼らの持っていた斯の如き愛、主はこれを失望せしめ給うことが出来ません。
しかして、朝早く起きいでつつも、尚、イエスの朝を要求しい給うを知らない凡てのものよ、あなたの失っている恩恵を考えて御覧なさい。活ける主は語り給う、『夙に我を尋ぬるものは我に遇はん』と。
又、主を識り、主を求めつつも、なお、活ける主との充分なるまじわりのなきをもって、主を愛することの足らざるを認むるかたがたよ、あなたも、もし、朝夙に彼を求むるについて必要なる犠牲をなすの用意さえあるならば、あなたのためにとて備えられあるその恩恵を現実にわがものとせらるるのであります。かくてぞあなたの分け前はやはり、日ごと日ごと、終日絶えず、甦りの主の光と力との中を步むこととなるにいたるでありましょう。
暁の待望
© 頒布価 ¥70
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昭和 8年4月20日 初 版 発 行
昭和34年7月20日 改訂再版発行
現著者 アンドリウ・マーレー
訳 者 小 島 伊 助
発行者 落 田 健 二
印刷所 東海出版印刷株式会社
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発行所 バックストン記念霊交会
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