第  十  日



『明日ヱホバおのれ所屬ものたれ 聖者きよきものたれなるかを示して其者そのものおのれちかづかせたまはん すなはちその選びたまへる者をおのれちかづかせたまふべし』(民数記十六・五)

 しゅは、かねて、アロンとその子等とを御自分の所属たるべく選び、『おのれちかづかせたまはん』ために彼等を祭司として聖別なし給いました。コラとその党類とはこれをつぶやいて分を越ゆることであるとなし、かえって民は、今、みなことごときよきものであると申しました。モーセは神が裁決なし給うであろうと答えましたが、神は、朝つとおのれの所属の誰なるかを示さんとしてい給うのであります。

 さて、信者はすべて神に近づくために選ばれたる祭司であります。しかし、しゅがこれを悟らしめ給うのでなければ、彼は正当にこれをにぎることも出来ないし、かれの生涯に於てその能力ちからを経験することも出来ません。しかも神は朝毎に、早朝の静寂のなかに、新しくかくなし給うをいたく喜びい給います。あなたは神が選んで御自身にまで聖別なし給うた彼の所属、神御自身の御所有であるとの、この天的確信を御霊みたまによってあなたに与うるは、これ実にかれむねであります。あなたはキリストにあるきよきものであります。神がおのれに近づかしむるを望み、民のための禱告者とりなしてとして神と交わるために御自身に近く引き寄せ給うを望みい給うところのものであります。これを神はそのきよ御霊みたまによってあなたに示し給うでありましょう。

 クリスチャンよ、コラの如くに、ただ、皮相なる贖罪の解釈の上に立ってはなりません。早朝の聖なる静寂の中に神に近づき、あなたが神のものなることを神に示していただきなさい。神にあるあなたの信仰を鎮めて彼を俟望まちのぞみ、『われかれのもの、神は我をおのれに近づかしめ給う』と信仰が確信を受くるまで御前みまえはべり奉りなさい。これこそは神が、朝まだき、あなたのためになし給わんところのことであります。



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