第 十 五 日
『汝もし神に切に──夙に(betime ──英譯)求め全能者に祈り 淸くかつ正しうしてあらば必ず今汝の爲に醒め給はん(surely now he would awake for thee ──英譯)…… 然らば汝の始は微小くあるとも汝の終は甚だ大ならん』(ヨブ記八・五〜七)
神を求むるは一日のうち如何なる時に於てもよいことでありましょう。しかし朝夙に求むるは最善であります。朝夙に求むるというは、それが私共に取って、その日の第一事であり最肝要の仕事であるとせられている証拠であります。朝夙に神を求むることは、終日神に侍らしむるために霊魂を助けます。しかして夙に求むることによって、恩深き御約束は真にわがものと領有獲得する信仰を把握することが容易となってまいります。
もしもあなたが神を求むるために朝夙に目醒めますならば、神はあなたのために夙に醒めて下さいます。もしあなたが朝夙に神を求め、全能者に祈り、罪をなげうちて清く且つ正しくありますならば、たとえあなたの『始は微小くあるとも汝の終は甚だ大』なるにいたりましょう。あなたの霊魂はさながら日の出の朝の時刻の如くにありましょう。曙はほんの幾筋かの微かなひかりに始まりますが、その光と輝きは刻々に増し加わって、遂に昼の真盛にまでいたるのであります。あなたの始めもまたかように微小く、恩寵のみわざも極めて弱くあるにいたしましても『汝の終は甚だ大』であります。唯、朝毎に、神を求めることを辛抱強く続けなさい。どういうふうに恩恵が来るかは知らないでもかまいません。几帳面に、忠実に、毎朝ごとに唯独り神と偕にありなさい。あなたは育ちます。神を畏るる敬虔と、神に仕うる奉仕とに強くなります。しかしてキリストの愛と喜悦に力強く育ちゆくでありましょう。あなたが朝夙に求むる神は忠誠なる御神にて在し給います。『神必ず今汝の爲に醒め給ふべし』。しかして黙々の間にもあなたを看守り、あなたの衷に聖工を成し給います。さらば『汝の終は甚だ大ならん』──『汝もし神に夙に求めば』。
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