第　二　十　四　日

『わがこゝろ夜よるなんぢを慕ひたり わがうちなる靈れいあしたに汝なんぢをもとめん』（イザヤ書二六・九）

　『我われを切せちに（夙つとに＝英譯）求むるものは我われに遇あはん』（箴言八・十七）。若もし私が非常な値打の宝を探しておるとしますならば、私はどんな苦労も厭いといません。もしその宝が甚だ見出し難いものであるといたしますれば、そのためには、私は全く一身を挺ていするほかはありますまい。天の宝は、その価あたい無限である神御自身でありまして、罪深くも肉なる私共には見出し難きおかたであります。彼を尋ねて、真に彼を見出さんとならば、如何なる犠牲も余りに大きすぎると思ってはなりません。朝に祈って彼に斯かく申上げ奉りましょう。『しかり、我われわが衷うちなる霊をもて、あしたに、汝なんじを求めん』と。

　しからば、すでにその御神おんかみを見出し奉りました信者が、尚なお神を求めているとは何としたことでありましょうか。ああ神は、尚々なおなお偉大なる御方おんかたであります。すでに知ったと申し、又所有したと申しましても、それはほんの僅わずかにしか過ぎません。神をその満ち足れるおんありさまに於て、満ち足れるありさまに所有し奉ることを求めているのであると彼は真心から告白しなければならないのであります。

　信者は新しい日を迎える毎ごとに新しく神とその御恩寵との顕現を要します。神が無代価の恩寵として与え下さる賜物なる御自身に彼はひたすら依頼よりたのみ申します。神がその子に与え給う賜物なる御自身と、神の子等が御聖霊によってその神をおのがものと所有し奉るこの関係はますます深く、ますます強くなりゆいて、彼は遂ついに断えず叫びいでざるを得ないほどであります。『ああ神よ、なんじはわが神なり …… あしたに我われなんじを尋ね求めん、わが霊魂たましいは渇ける如くになんじを慕い求む』と。それ故ゆえに彼は申します、『我われわがうちなる靈れいをもてあしたに汝なんぢをもとめん』と。この『靈』とは御聖霊の秘かなる宿り家、彼かれの領域であります。彼は心を広く開いて神に向えば、神またこれを占領して御自身をもってこれを全く充ち満たし給うのであります。

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